こんにちは、サイト管理人のnano(ナノ)です。
このサイトでは、単純なものから、より複雑な精神科看護技術・超高齢化社会に向けて利用できる社会
資源のひとつ認知症疾患医療センターについてお知らせします。
日本は1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会へと突入し、今後も高齢者率は高くなると予測されてお
り、これからは超高齢社会に向けて2025年には約30%、2060年には約40%に達すると見られています。
今回は、超高齢社会が進むと切り離すことのできないテーマである認知症に対応する一環として認知症
疾患医療センターの役割や利用方法について説明していきます。
目次
認知症疾患医療センターはどこにでもあるわけではなく、埼玉県の指定を受けて運営されています。
厚生労働省が主体となり各都道府県が、地域での認知症医療提供体制の拠点としての活動を行う事業
※類型(1:基幹型Ⅰ、2:基幹型Ⅱ、3:地域型、4:連携型)にわけて指定を行っています。
埼玉県内では、認知症疾患医療センターを9か所、さいたま市では1か所の計10か所に設置しています。(令和3年4月1日現在)
10か所のうちの中のひとつは、「久喜すずのき病院」に設置されています。
埼玉県の指定一覧は、こちらからご覧いただけます。(別タブで開きます)
医療法上の広告規制の中でセンターという名称を制限しているので、センターの名称は
法令の規定又は国の定める事業を実施する病院又は診療所であるものしか広告できないので必然的に、
民間の医療機関が名称としてセンターを付けないのが現状です。
埼玉県の例ですと、埼玉医科大学総合医療センター(川越市)や埼玉県立小児医療センター(さいたま
市)などがセンターがついている法令の規定又は国の定める事業などです。
法令の規定で定める事業を実施するので、久喜すずのき病院は、認知症疾患医療センターと名乗れるの
です。(リンク先:久喜すずのき病院認知症疾患医療センターHP 別タブで開きます)
本人が気づかない・気づけない間に、単なる物忘れなのか?認知症の症状なのか?ご家族や周りがいつ
もと様子が違うと気づくこともあると思います。
いつもと違うと気づいた時に、もしかしたら認知症かも?と思った時に、本人を医療機関に連れて行か
なくても気軽に相談できるのが、認知症疾患医療センターです。
認知症疾患医療センターは、来院して相談することもできますが
何といっても電話でも相談できるのがポイントです。(相談については、無料です)
年配の相談者やご家族などには、外出が困難な方・日中なかなか都合がとれない方もおりますので、とてもよいサービスと言えます。
外来受診を迷っている・受診したほうが良いのか?本人またはご家族にとっては一歩が踏み出しやすいですよね。
電話相談を受けてくれるのは、認知症疾患医療センターに配置された経験豊富な精神保健福祉士(国家
資格)をもった相談員が対応してくれます。
上記で紹介しました(①専門医療相談(電話・面談)のほかにも
専門の医師による詳しい鑑別診断を行い、認知症疾患の診断を行うための検査や診察を行います。
診断に基づいた治療や初期対応等を行います。
合併症や周辺症状(幻覚、妄想、徘徊など)に対応します。
ホームページや各種研修により認知症に関する情報提供や知識の向上を図っていきます。
今回は、特に相談の入り口でもある①専門医療相談(電話・面談)に絞って解説を行っていきます。
まず、今後もサポートが継続的に行えるよう対象者や相談者に対する情報を収集します。
例えば
慣れている場所で道に迷った
同じ事を何度ども聞いてくる、話してくる
人の名前が思い出せない
身なりを気にしなくなった
夜寝ないで、昼間寝てしまうほうが多くなったなど 対象者に起きている気づいた
ことの情報収集などです。
本人・ご家族がどのような事で困っているのか?悩んでいるのか?がポイントになります。
本人またはご家族が一番気になる、受診したほうがよいのかが大半かと思いますが、受診する必要の
目安となるポイントについて説明します。
本人・ご家族がどのような事で困っているのか?悩んでいるのか?のポイントである
対象者の状態像を下記の「今必要なのは、治療? 介護?」図に当てはめていきます。
この図は、どんな事や行動が治療対象に該当するかどうか?または日常生活において介護の充実で、ご
本人またはご家族が豊かな生活になっていく理解を深めるのにとても適しています。
中核症状の項目で、チェックがつく場合は医療や介護保険で提供できるサービスやケアマネージャーさ
んに相談で解決できる方法もあります。
介護保険については、次回コラム 1.精神科看護師も知っておきたい介護保険制度を解説と
2.精神科看護師なら知っておきたい医療や介護保険で提供できる通所サービスを解説についてで、紹
介致します。
周辺症状の項目で、チェックがつくようであれば受診を一度検討していただくまたは、受診をお勧めす
る流れとなります。
今すぐに必要なのは、治療なのか?介護なのか?優先順位をつける判断材料になります。
受診する必要の目安となる欄にチェックがついた場合は、認知症疾患医療センターの継続的なサポート
として地域包括支援センターなどへの連絡・調整や医療機関を受診することも可能です。
単なる物忘れかも?認知症かも?といった不安な事も、手軽に認知症疾患医療センターへの電話相談に
始まり、加齢による物忘れですむこともあれば、認知症の場合は、早期発見・早期治療につながってい
きます。
簡単に説明しましたが、初期対応の窓口として開かれた認知症疾患医療センターについて役割や利用方
法・活用方法についていかがでしたでしょうか?
今回のポイント
1.認知症疾患医療センターは、都道府県から指定を受けた医療機関が運営している。
2.事前に、無料で相談できる場所こそが認知症疾患医療センター
3. 周辺症状と中核症状を把握して、必要な治療・介護の両面から考えることが大切
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
認知症患者さんを看る機会の多い精神科看護師さんなら知っておきたい社会資源のひとつとして必要な情報が提供できましたら、とても幸いです。