精神科看護師なら知っておきたいベースアップ評価料と定額減税

こんにちは、サイト管理人のnano(ナノ）です。
このサイトでは、単純なものから、精神科看護師なら知っておきたい豆知識などについてわかりやすく解説をおこなっていきます。

更新の間隔があいてしまいましたが、その理由は「ベースアップ評価料」の計算をしておりました。
と言うことで今回は、6月の診療報酬改定で精神科看護師のみなさまも対象のベースアップ評価料と定額減税について紹介したいと思います。

ベースアップ評価料とは？

ベースアップ評価料は、産業全体で賃上げが進む中、医療現場で働く方々の賃上げを行い、人材確保に努め、良質な医療提供を続けることができるようにするため新設された診療報酬上の算定項目となります。

診療報酬は2年毎に改定ですので、現在決まっていることでは2年間はベースアップ評価料の算定が可能です。（参考：医療保険ではありませんが、先行して始まった介護保険や障害福祉などの処遇改善加算もありますが、改定があっても引き続き算定が続いています）

この新設された「ベースアップ評価料」は、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組みの一つとしてありますが患者さんの一部負担があることも忘れてはいけません。

算定できるベースアップ評価料は？

今回は、病院又は有床診療所において算定できる項目について紹介します。
病院又は有床診療所においては、外来・在宅ベースアップ評価料（Ⅰ）と入院ベースアップ評価料が算定可能です。いずれも算定する際は、届け出が必要です。

外来・在宅ベースアップ評価料（Ⅰ）（1日につき）
1 初診時 6点
2 再診時 2点
外来において算定できる項目になります。

再診察の場合は、
診療費領収書の欄　その他欄に　2点
診療明細書の項目では、　区分　処遇改善　
項目名　外来・在宅ベースアップ評価料（Ⅰ）２（再診時等）　2点が印刷されるようになります。

入院ベースアップ評価料（1日につき）
1 入院ベースアップ評価料1　　　　　1点
2 入院ベースアップ評価料2　　　　　2点
　　　　↓
165 入院ベースアップ評価料165　　　 165点

入院の評価料の算定区分点数はどうやって決められるのか？と思いますが、厚生労働省のサイトにあるベースアップ評価料計算支援ツール（医科）（歯科）（訪問看護）とそれぞれ分かれておりますので該当のエクセルファイルをダウンロードして、エクセルのシートタブにそれぞれ別添２・様式95外来・在宅ベースアップ評価料（Ⅰ）　様式97入院ベースアップ評価料・別添＿計画書（病院および有床診療所）・・のシートをすべてうめていきます。

入力する内容は、対象職員の常勤換算数・対象期間の初診料等の算定回数や再診料等の算定回数・対象期間の対象職員の給与総額（対象期間の1月あたりの平均）など項目が盛りだくさんでした。
病院の場合は、職員が数百人規模で多い場合は、対象職種別に給与総額や常勤換算などがまぁ大変です。

該当項目のすべてを入力すると、入院ベースアップ評価料〇〇〇　と表示されますので、届出時に算定できる評価料の点数がわかるようになります。

入院ベースアップ評価料の対象職員は？

対象職員も厚生労働省から定めらており、医療機関に勤めている職員全員対象ではなく下記のとおりとなります。

対象職員でない40歳未満の勤務医師や事務職員については、初再診料、入院基本料で充当することになっており、対象職員以外でも、ある条件（令和６年度に対象職員の基本給等を令和５年度と比較して2.5％以上引き上げ、令和７年度に対象職員の基本給等を令和５年度と 比較して4.5％以上引き上げた場合について）を満たせば実績に含めてよいことに現在は、なっています。

入院ベースアップ評価料を算定すると結局どうなるの？

ものすごく簡単に説明すると「入院ベースアップ評価料は、算定した金額をすべて賃金として対象従業員に給与として支給してくださいね」という性質のものになります。
これは、通常の昇給のほかに支給されるものであり必然的に看護師さんの給与も増えるという結果になります。

支給された看護師さんの反応は？

6月からベースアップ評価料が算定開始となり、賃金規程の改定をおこない算定月である6月支給分からベースアップ評価料手当が給与明細に載りました。

何人かの看護師さんや支給対象のスタッフから、ベースアップ評価料手当を支給後の反響を紹介します。

看護師さんやほかのコメディカルスタッフからも同様の意見が聞けましたので、人材確保の定着や、良質な医療提供についてはかなり効果のある診療報酬の改定だったのではないかと思います。

知っておこうベースアップ評価料と定額減税とは？

定額減税とは2024年6月から実施され、金額的には4万円（所得税3万円＋個人住民税1万円）を控除される制度です。

ベースアップ評価料手当と重なるように定額減税も適用されており、看護師さんの給与明細についても手取りがおおきく増えるような結果となっています。

具体的には、所得税が30000円まで減税控除されるため、ほとんどの看護師さんは所得税が0円となり
特に6月は、ほとんどの看護師さんは徴収額は住民税0円となります。
よって、6月の給与（7月振込）に関しては　ベースアップ評価料手当で増額・所得税0円・住民税0円で手取り額がアップした支給額となります。
※（支給月や徴収月によってことなりますが当院の場合は記載のとおりです）

定額減税は、納税者本人とその扶養家族1人につき、所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が2024年（令和6年）の税金から控除される制度ですので、合算した控除額に到達されるまで所得税が控除されます。

住民税については、6月は0円　以降の住民税納付額を11か月で割った分を翌月から納めるようになります。

まとめ

ベースアップ評価料と定額減税について説明しましたがいかがでしたでしょうか？

今回のポイント
１．入院ベースアップ評価料は、対象職員のきまりがある
２．ベースアップ評価料は、次回改定まで確定している
３．定額減税は、納税者本人とその扶養家族1人につき、所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が2024　　年（令和6年）の税金から控除される

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
簡単に説明しましたが、ベースアップ評価料手当により人材の定着や良質な医療提供に結びつきながら患者さんにとって最高の治療環境が整う医療機関が形成されればよいかと思います。
そして、このコラムが精神科看護師さんのお役にたてれば何よりです。