サイト管理人のnano(ナノ)です。
このサイトでは、単純なものから、より複雑な精神科看護技術・働くうえで知っておいたほうがよい用語についても公開していきます。
今回は、精神科看護師もぜひ知っておきたい標準報酬月額について、お知らせしたいと思います。
目次
標準報酬月額?聞いたことがあるような・ないような?給与の金額に関係すること?と推測される方もいらっしゃると思います。
標準報酬月額とは、健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するための基準となります。
簡単に説明しますと、資格取得時(入職時)は、給与明細の総支給額が基準となる金額と考えてよいと思います。
「ううーん なるほど」と 前回コラムの限度額適用認定証の区分や、まだまだ先の事だよと思う方もいるかもしれませんが、将来年金を受給する場合の金額にも影響しますので、ぜひ覚えておきましょう。
「職場の近くに勤務する看護師Aさん」と「職場から離れたところから勤務する看護師Bさん」の健康保険と厚生年金の保険料を算出してみます。
例) 職場の近くに勤務する看護師Aさん
基本給 240,000円
住宅手当 10,000円
食事手当 3,750円
通勤手当 3,000円
合計 256,750円
例) 職場から離れたところから勤務する看護師Bさん
基本給 240,000円
住宅手当 10,000円
食事手当 3,750円
通勤手当 50,000円
合計 303,750円
通勤手当が入ってますよって思いますが、保険料を算出するにあたりなんと!通勤するために必要な交通費まで足した金額で算出するというルールが存在します。
このようなルールです。
通勤手当や交通費は、労働者が職場に通勤するために必要な費用であるため、社会保険料(健康保険や厚生年金)の計算にも含まれることになっています。
それでは、算出してみましょう。
算出に今回は、協会けんぽ(埼玉県)の令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表を見本にして算出します。
※協会けんぽは、都道府県毎に保険料が異なります。
保険料額表の報酬月額欄を参照します
職場の近くに勤務する看護師Aさん 合計 256,750円
報酬月額が 250,000~270,000 に該当しますので、標準報酬月額が 260,000円となります。
私は、標準報酬月額が 260,000円だから
健康保険料が 12,766円 厚生年金保険料が 23,790円
26万円の健康保険料が 12,766円 厚生年金保険料が 23,790円 と算出できます。
職場から離れたところから勤務する看護師Bさん 合計 303,750円
報酬月額が 290,000~310,000 に該当しますので、標準報酬月額が 300,000円となります。
私は、標準報酬月額が 300,000円
健康保険料が 14,730円 厚生年金保険料が 27,450円
30万円の健康保険料が 14,730円 厚生年金保険料が 27,450円 と算出できます。
今回は、わかりやすいように所得税や雇用保険料を除いて計算しますが
基本給と住宅手当・食事手当が同じなのに、交通費がちがうだけで保険料が異なってきます。
Aさん 健康保険料 12,766円 厚生年金保険料 23,790円 合計 36,556円
Bさん 健康保険料 14,730円 厚生年金保険料 27,450円 合計 42,180円
AさんよりBさんの方が、5,624円 保険料がおおくなります。
私のほうが、なぜ負担が5,624円も
多いの? 損してる?
Bさんが損をしているのではないかと思われますが、年金を少しでも多くもらうには
60歳まで(厚生年金は60歳以上でも加算可)の標準報酬月額で計算しますので後々のことを考えればそうとも限りません。
何気なくみていた毎月の健康保険料や厚生年金保険料ですが、どうしてこの金額になるのかも
ご理解いただけかと思います。
表の見方について補足説明になりますが、表の上段 介護保険第2号被保険者は該当しない場合は、年齢が40歳未満の方
介護保険第2号被保険者は該当する場合は、年齢が40歳以上の方で異なってきます。
差額はというと、介護保険料が該当します。
本来なら健康保険料・厚生年金とも全額を納めますが、勤務先が半分 折半してくれる
制度のため、折半額が職員の負担分となります。
翌年以降は、原則として、4~6月の3カ月間の給与(ちょうど昇給時期・保険料を決める側(国)としては、よくできてる制度です)の平均額をもとに決定され、その年の9月から翌年8月まで適用されます。
給与がほとんど同じなのに、手取り額が少し減った気がすると感じた場合は、標準報酬月額がひとつ上の等級となり、保険料が変更になったと調べることができます。
標準報酬月額は、年金定期便やマイナポータルから月々の納付額を確認することができますので、ご自分で確認できる公的な社会制度ですので、年に1回程度は確認して将来を見据えて有効活用をしましょう。
今回のポイント
1.標準報酬月額とは、健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するための基準
2.厚生年金の受給額に影響する
3.給与明細をみた場合に、等級と金額が確認できる
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
簡単に説明しましたが、働くうえでも将来の年金受給についても知っておいて損はない知識です。
わからないと思っていた給与明細もあーなるほどと思っていただければ幸いです。