ナースフレンド
親切な対応をこころがけここに来て良かったと思える病院にします。
①苦痛への理解精神疾患はまれな病気でなく、誰でもが経験する可能性がある。発症するのは対人関係の中であり、生きてゆくうえでの危機が発生した時である。 患者さまは、疾患自体がもつ苦痛を引き受けることに加え、社会の偏見と無理解の 中で、「精神障害者である」という 二重の苦しみをもって生きている。②ストレス脆弱性モデルストレスに耐える力が弱い人は、少しの心理的・社会的な要因が加わっただけでも発症しやすい。また、強いストレスは、元来健康な心の持ち主にも、発症の危機をもたらす。
③疫学的特徴
人は精神障害の有無にかかわらず、自己実現を目指してその人らしく生きていく権利が あり、尊重されなければならない。すべての人が、変化と成長の可能性をもっている。 その自立を援助するのが、精神科看護の役割である。
①看護の特徴
精神障害のために日常生活を送ることが困難になっている患者を、身体的・精神的・社会的側面から、患者さまをとりまく環境も含めて、全人的に理解する。
患者さまのセルフケア、対人関係、問題解決能力の獲得のために支援する。患者さま自身がかかえている問題に気づき、よりよい生き方について思考し判断・行動できるように援助する。
家族もケアの対象であり、家族調整や家族指導を含めてサポートする。
自殺企図や自傷、他者への暴力など、精神的に危機的状況にある患者の危機回避が重要である。安全で安心できる療養環境を提供する責任を負う。
判断力や理解力が低下している状況にあるため、ケアの実施については患者・看護師関係を大事にしながら、丁寧に根気強く説明し、かかわる必要がある。
患者さまの訴えだけでは判断できない場合も多く、身体面・精神面を含めてより綿密に状態を観察し、総合的に評価し対処することが求められる。
患者さまの権利の擁護者、患者さまの代弁者として、看護師の役割は大きい倫理的感性をもち、閉鎖病棟における行動制限を最小にする努力が求められる。
患者さまの理解は、他職種を含めたカンファレンスを通じて深まる。患者さまの問題点・ケアの方向性を確認しながら、チーム医療を積極的に推進する。
外来やデイケアと連携し、継続的な看護の提供に努める。
②精神看護の特徴
※患者さまは、こちらの働きかけに、思うようには反応してくれない。しかし、患者さまは看護師の心に敏感に反応する。目にみえる看護のかたちにとらわれず、自我機能の脆弱な患者さまと ゆっくり関係性をはぐくんでいけばよいと 心得ることが大切である。
※患者さまの要求や訴えをそのまま受容し、迅速に対応することがいつも最善の方法ではないところが 精神科では難しい。場合により、受容することが依存性を高め、自立を阻害することもある。保護的な関わり・教育的な関わりなど、病状によりケアは変わる。
※丁寧な言葉使いで接する。 威圧的・管理的・命令的・指示的態度はとらない。 愛称で呼ばず、敬称で呼ぶ。上から目線で話さない。
患者さま対応のポイント
①安心できる場所と時間を提供する。②自分らしさを取り戻していく過程を、暖かく見守り、じっと待つ。③介入のきっかけとなる、小さな変化を見逃さない観察も大事な看護であることを認識する。
患者さまへのかかわりと同様に、病院が家族にとっても安心できる場であることを認識してもらえるよう、受容的な態度で接する。長い療養生活を支えていくには、医療機関の支援だけでは不可能であり、家族にも重要な医療チームの一員として 加わってもらうことが必要である。
家族へのかかわりのポイント
①情緒的支援②家族関係の調整や相談③意志決定の支援④疾患の理解や患者さまとのかかわりを援助する教育⑤対処行動や対処能力、危機回避行動の強化をめざしたかかわり
精神科に入院してくる患者さまは、なんらかの対人関係の困難さや葛藤をかかえている。入院は、その困難さゆえに日常生活が維持できなくなったからである。そして、精神疾患を病む人は、その過程で最も身近な人にさえ猜疑心を抱いたり、家庭の中で深く傷ついたり、医療関係者にたいしては不信を抱いて当然な経験を繰り返していることがある。患者さまが看護師を信用できる存在だと認めないかぎり心を開くことはない。患者さまは、自分が安心できそうな人を選んで反応を返してくる。
患者さまといかに治療的な患者・看護師関係を確立していくかがポイントとなる。 精神科看護は患者さまとの対人関係のうえに成り立つ援助行為である。看護師が患者さまと関係性を築き、発展させてゆく過程の中で、役割モデルを効果的に示すことが、直接的な治療に結びついていく。
①受容とは、相手の考えや気持ちをありのままに受けとめ、そして受けとめたという事を きちんと相手に伝えることである。患者さまの話をよく聞き、患者さまの気持ちを自分の心で正確にキャッチして、「あなたはいまこんな気持ちなのですね」と相手に返す。良い・悪いという判断はせず、患者さまの価値観で話を聞く。
②共感とは、相手のなかに自分を移して 感情を共有し、体験を理解することである。 大事なことは、「すべてをわかる」ということではなく、「私なりにわかった」と いうことを きちんと伝えることである。
③自分の価値観や道徳観にしばられることなく、相手の話を聞くことはむずかしい。患者さまの話を受けとめる過程で、怒りや不安・当惑といった感情がわき上がることも 多い。だからこそ自分について知り、患者さまとの関係をとおして、なぜそのような気持ちになったのか、自分自身の感情を振り返ることが必要である。 自己受容ができないと、他者の受容はできないからである。
身体的・精神的・心理的アセスメントを組み合わせながら、患者さまの全体像を形成し理解する。精神科における観察は、患者さまの理解の基本です。
①自分の考え方をとおして患者さまを見るのでなく、患者さまのありのままを見てそれを患者さまの立場で理解しようとすることが大切である。
②患者さまの表面に現れた行動や状態だけにとらわれず、患者さまの特質をよく考え、その関連を見失わないようにする。
③病気を自覚できない患者さまもおり、病状をそのまま言語化できるとは限らない。患者さまの表現は間接的だったり、別の内容だったりする。真の意味を読み取ろうと努め、客観的に観察するために、心理的距離を保つことも必要である。
④自分をフルに使って 患者さまとかかわり、自分が知覚したことを、他の看護師に言語化して伝達することが必要である。
⑤患者さまと行動をともにする機会を多くもち、かかわる。それが、患者さまの潜在能力を引き出すことにつながり、思いもかけない患者さまの新しい一面を観察することができる。患者さまの隠された健康面が見えてくる。
※精神科疾患は数値で測定できない。またさまざまな困難がつきまとう。答えは一様でなく、混乱や迷いが生じるからこそ チームで支えあうことが 大事である。患者さまとの関係性を通じて、自分も学び成長していく。 これこそが精神科看護の醍醐味である。
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